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正月飾りに欠かせない千両出荷始まる

赤い実と深緑の葉が美しい千両を手にする田中さん
(写真:赤い実と深緑の葉が美しい千両を手にする田中さん)
JA花き部会で、12月7日、正月の縁起物として人気が高い常緑樹「千両」の出荷が始まりました。

 広川町の上広川選果場では、12月7日から集荷作業が始まりました。生産者2人が持ち込み、JA職員によって選別・結束された後、九州一円や関西の市場に「広川千両」として出荷されます。9日に久留米の市場で行われる初競りを皮切りに、各地で「千両大市」がにぎわいを見せます。

 鮮やかな赤い実と、深緑の葉のコントラストが美しい千両は、別名「草珊瑚」とも呼ばれています。正月飾りとして松竹梅と一緒に飾られるなど日本の縁起木として知られていますが、近年では、洋花と合わせて楽しむフラワーアレンジメントとしても鮮やかな赤い実が彩を感じさせてくれると大人気。JAでも、そのような幅広い需要に対応するため、実付き・長さなど10階級ほどに分けて選別し、出荷しています。栽培面でも、茎や枝の長さを需要に応じて調整するなど工夫しています。

 令和2年産は、梅雨明けが遅かったことや夏場の猛暑、暖冬の影響で赤い実の色づきが心配されたが、11月初旬に気温が下がったことで色づき良く赤く輝く実と張りのある深緑の葉の見事なコントラストに仕上がりました。

 同町で30年以上千両の栽培を続けている田中健一さんの園地では、土壌管理や寒冷紗を使っての遮光など、実の付きや葉の色をよくするための栽培管理を徹底しています。

 田中さんは「千両は日持ちもよく、直射日光を避ければ2月ごろまで鑑賞できます。正月飾りはもちろん、冬の観賞植物としても楽しんでほしい」と話していました。