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猛暑対策徹底で収量確保へ

 気象庁の観測データによると、8月の猛暑日地点数が8月中旬に3000を超えるなど異例な暑さをみせる今夏。今後も厳しい残暑が見込まれるなど、農作業時や農産物への高温対策の必要性が高まっています。
 JA中玉トマト部会では、冬春(11月~5月)、夏秋(6月~10月)の2つの作型を組み合わせることで、周年出荷を行っています。中玉トマトは高温環境下で栽培すると、裂果や黄変果が起きやすくなる他、花粉ができづらくなることで収量低下や規格外品の増加などさまざまな問題が発生します。厳暑期と収穫期が重なる夏秋作では高温対策が不可欠であり、同部会では寒冷紗や遮光剤の使用、ハウス内換気の徹底に取り組んでいます。
 黒木町の中山間地で中玉トマトを両作型合わせて約50a栽培する馬渡大樹さん(47)は、連日家族と共に収穫作業に追われています。現在日量200㎏を出荷しており、最盛期には1tを超える日も。加温設備がいらず収益性の高い夏秋作に力を入れており、部会での取り組みの他にも、独自の高温対策を行っています。
 約10年前に県の支援事業を活用し、台風対策もかねて内張りカーテンを設置。6年前には福岡県内でも先進的に赤外線を反射する遮光ネットを導入しました。ハウスの内側と外側から対策することで、夏場でもハウス内温度を外気より3~5度ほど低く保てており、部会でも上位の成績を上げています。馬渡さんは「トマト栽培には日光が欠かせないので、遮光しすぎてもいけないのが難しい。良い資材や栽培方法があれば今後とも試していきたい」と意欲を見せます。
 気温上昇に伴い、年々生産者の減る夏秋作の安定供給につながればと、部会内だけでなく他産地からの視察も積極的に受け入れている馬渡さん。「夏場のトマトは家庭消費だけでなく、学校給食や外食産業にも欠かせない食材。自分の得た知識や経験が高温対策に悩む生産者の役に立ってくれるとうれしい」と話しました。